バイオ化学工学にようこそ

学科長 / 専攻長  阿部 宏之

阿部宏之教授

我が国では少子・高齢化が急速に進み、工学分野には健康で安心して生活できる社会づくりに不可欠な技術開発が期待されています。このような社会状況の中で、平成22年4月に山形大学工学部/大学院理工学研究科にバイオ化学工学科/バイオ化学工学専攻が新設されました。

バイオ化学工学科/バイオ化学工学専攻では、化学・生物科学の原理・方法に基づいて、社会の発展に貢献する物質・マテリアル・技術を創り出す「ものづくり」を目指した学問を学びます。今日、医療や環境など社会ニーズの高い分野への先端工学技術の導入は加速の一途を辿っています。例えば、先端医療の発達には、医療を支える診断技術や医薬品の開発が不可欠です。このような新しい技術を開発するためには、病気のメカニズムを理解するための生命科学の知識や薬を合成するための化学の知識が必要です。また、「ものづくり」を通して社会や産業に貢献するためには、化学工学などの応用的な分野を学ぶ必要があります。本学科/専攻では、化学と生命科学を総合的に学び、高度な専門知識だけでなく、科学技術が社会に及ぼす影響について論理的に洞察し、みずから適切に判断できる能力を備えた専門技術者・研究者の養成を目指しています。

バイオ化学工学科/バイオ化学工学専攻では、医療、食品、環境、化学、エネルギー分野の先端研究を行っている教員が多数そろっています。また、本学科/専攻で学んだ学生が、これらの分野のエキスパートとして社会にはばたき活躍できる人材に育つために、系統的で総合的な教育や研究ができる体制を整えています。社会のニーズに応え、人類に貢献したいと考えている高校生・大学生の皆さん、ぜひバイオ化学工学科/バイオ化学工学専攻にトライしてください。

バイオ化学工学とは

背景と教育理念

化学を基盤とする生命科学の研究は飛躍的な進歩を遂げ、その成果はたんぱく質工学、遺伝子工学、細胞工学といった新しい工学の研究分野を生み出してきた。この研究分野はバイオ工学と呼ばれ、多くの産業分野に応用されると共に、現在、人類が直面するエネルギー、食糧、環境、医療などの問題を解決する切り札として、強い社会的要求に応える分野である。

本学科は、化学と生物を融合させたバイオ化学工学分野の教育・研究を行う。本学科の教育目標は、化学の広い教養と生物―化学分野での幅広い専門知識を備えた人材を育成することである。これを達成するためのカリキュラムとして、教養科目、専門基礎科目、専門科目、演習、実験、卒業研究を重視し、教育内容に一貫性と連続性を持たせている。

とくに、専門科目において、化学と生物の学際的研究分野の授業を充実させることで教育内容の一貫性が保たれ、さらに、異分野融合研究の重要性を学ぶことができる。これにより、知識のみを習得するのではなく、学問の基礎をベースに様々な具体的な事象に対応し応用できる能力の養成が可能となる。

本学科では、専門基礎教育として工学の基礎となる数学、物理学、情報処理、安全工学、技術者倫理、語学を学ぶ。その後、バイオ化学工学学科としての基盤科目である生物科学、生化学、有機化学、物理化学、化学工学、無機化学、分析化学を十分習得しながら、生物―化学分野またがる幅広い専門教育を受ける。これらの専門教育をベースに、生体機能の利用、あるいは複雑な生命現象の解明を卒業研究において行い、さまざまな産業分野で活躍することのできる研究者・技術者を目指す。

バイオ化学工学科

バイオ化学工学科は,生命現象を原子・分子レベルで解明し、新たに物質や装置を創り出す「化学」と、生物機能の解明とその応用を図る「生命科学」との融合に「化学工学」の方法論を適用することにより新しい「工学」分野を開拓し、様々な産業分野で活躍できる人材を育成することを目標としています。

具体的には、医療、食品、環境、およびエネルギー分野に貢献できる製品の生産や装置の開発に関する科学技術を学び、様々な産業分野で応用できる学問を習得します。

バイオ化学工学専攻

バイオ化学工学専攻では、生物学、生化学、化学、および化学工学を学問の柱とし、研究や産業の先端分野で活躍できる人材を育成します。医療に応用できる生体計測技術や医薬品、生活に欠かせない食品や機能性材料、さらに、環境保護のためのバイオマスや代替エネルギーの研究・開発を通して、生物化学工学分野に精通した研究者・技術者の育成に努めます。

企業の皆様へ

教授・佐藤 慎吾

バイオ化学工学専攻は、2010年4月に山形大学大学院理工学研究科に新設されました。本専攻は、化学とバイオ工学を融合させた“バイオ化学工学”に関する教育・研究を行うことを理念としており、学生たちは、生体に関わる研究を通して、生体現象のメカニズムの解明や、これらに基づいたものづくり・計測技術について学びます。教員スタッフは、物質化学工学科のバイオに関連する研究に携わってきたメンバーを中心に、新たに生物科学分野の専門家が加わり、総勢19名で、教育・研究を進めております。

初年度は物質化学工学科の卒業生を中心に43名の博士前期課程の学生が入学いたしましたが、既に就職活動に入りました。生物科学の知識を身に付けた化学・化学工学系技術者は、必ずや商品・技術開発や生産の現場でお役に立つものと存じます。これまで同様、化学をベースにした研究開発にはもちろんのこと、生体を対象とする研究・開発に取り組もうと考えて居られる場合には、是非、当専攻へ求人いただけますようお願い申し上げます。また、共同研究・技術相談についても積極的に取り組んでおりますので、是非お声をかけていただけますよう重ねてお願い申し上げます。